「疲れた、仕事をしたくない、やる気が出ない」からの脱却法【21〜30】
「疲れた、仕事をしたくない、やる気が出ない」からの脱却法
僕は教員歴10年目の中堅教師です。
いつか、仕事のやる気がなくなってしまったとき、村上春樹さんのこの本に出会いました。
走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)
「ブラック部活」という言葉が生まれるぐらい、昨今の学校現場も働き方について問われる時代です。
この本を読んで僕自身納得できることがたくさんありました。
これから紹介するのは、著書を読んで僕が大切だと思った文中の引用。そして、引用元から学校現場にどう生かすかという自分の考察です。
少しでも参考になる箇所があれば幸いです。
21 走ることの利点
「走ることにはいくつかの大きな利点があった。まずだいいちに仲間や相手を必要としない特別な道具や装備も不要だ。特別な場所まで足を運ばなくてもいい。ランニングに適したシューズがあり、まずまずの道路があれば、気が向いたときに好きなだけ走ることができる」
健康を維持するには運動が一番です。
ただ、道具や格好にこだわりすぎる運動は、準備が大変であまり続きません。
その点、ランニングはシューズがあればすぐに取りかかれます。
気軽にできる運動だからこそ続けられます。
もちろん、ウォーキングもいいですね。
22 自分がやりたいこと
「自分のやりたくないことを、自分のやりたくないときにやらされることに、昔から我慢できない。そのかわり自分がやりたいことを、自分がやりたいときに、自分がやりたいようにやらせてもらえたら、人並み以上に一生懸命やる」
自分がやりたい仕事ができたら最高です。
しかし現実はなかなかそうはいきません。
自分がやりたいと思っても、周りの環境がさせてくれない場合があります。
逆に、周りの環境によって好きなことをさせてくれるときもあります。
そんな場面は珍しいものです。感謝を忘れずにとことん励みましょう。
23 自分に合ったペース
「自分が興味を持つ領域のものごとを、自分に合ったペースで、自分の好きな方法で追求していくと、知識や技術がきわめて効率よく身につくのだということがわかった」
人それぞれ、学びに最適なペースがあります。
それは大人だけではありません。子どもも同じです。
ですので、ときには個々人がマイペースで学べる、一斉授業以外の実践も取り入れたいものです。
24 会いたくない人
「もう客商売はやめたんだから、これからは会いたいと思う人にだけ会って、会いたくない人にはなるべく会わずにすませよう」
価値観が異なる同士だからこそ人間の成長があります。しかし、あまりにも生理的に苦手な人と、無理して会う必要はないと感じます。
それは職場内でもそうです。
お互いのために、無理して会話をすることは避け、適度な距離を置くのが大切でしょう。
25 学校とは
「我々は、七年間にわたる『開かれた』生活から、『閉じられた』生活へと大きく舵を切ったわけだ。そのような『開かれた』生活が、僕の人生のある時点にある期間存在したのは、善きことであったと思う。今にして思えば、そこから多くの大事なものごとを学んだ。その時期は僕にとっての、人生の総合的な教育期間みたいなものであり、僕にとっての真の学校だった。しかしそんな生活をいつまでも続けるわけにはいかない。学校というのは入って、何かを身につけ、そして出ていくところなのだ」
学校の目的は「教育を必要としない人に育てること」にあります。
もちろんこれは理想ですが、学校の先生として心の片隅には絶えず入れておくべき想いでしょう。
26 優先順位
「ただ僕は思うのだが、本当に若い時期を別にすれば、人生にはどうしても優先順位というものが必要になってくる。時間とエネルギーをどのように振り分けていくかという順番作りだ。ある年齢までに、そのようなシステムを自分の中にきっちりこしらえておかないと、人生は焦点を欠いた、めりはりのないものになってしまう」
効果的な仕事には優先順位があります。
それは緊急性が高いのか、重要性が高いのか、ということを自分の頭で判断し行動しなければいけません。
もちろん、仕事だけでなくプライベートも同じです。
しっかりメリハリがつけたバランスのよい人生にしていきたいものです。
27 最優先事項
「僕が生活の基盤を安定させ、執筆に集中できる環境を作り、少しでも質の高い作品を生み出していくことを、多くの読者はきっと歓迎してくれるに違いない。それこそが小説家としての僕にとっての責務であり、最優先事項ではないか」
仕事においても、プライベートにおいても、充実した人生を送ること。
それは自分自身にとってだけでなく、自分を取り巻く周りの人たちにも幸せをもたらすと思います。
28 筋肉にうめき声
「店を経営しているときも、だいたい同じような方針でやっていた。店にはたくさんの客がやってくる。その十人に一人が『なかなか良い店だな。気に入った。また来よう』と思ってくれればそれでいい。十人のうちの一人がリピーターになってくれれば、経営は成り立っていく。逆に言えば、十人のうちの九人に気に入ってもらえなくても、べつにかまわないわけだ。そう考えると気が楽になる。しかしその『一人』には確実に、とことん気に入ってもらう必要がある。そしてそのためには経営者は、明確な姿勢と哲学のようなものを旗じるしとして掲げ、それを辛抱強く、風雨に耐えて維持していかなくてはならない。それが店の経営から身をもって学んだことだった」
同僚にも、子どもにも、保護者にも、全員に好かれることはありません。
どんな頑張っても嫌われてしまうことがあります。
もちろん、人の話を聴く、自分から挨拶をするといった嫌われない努力は大切です。
一方、周りに流されすぎて自分がやりたいことが何もできない、そんな人生も嫌です。
嫌われる勇気を持つことも大切です。
29 トップ・ランナー
「トップ・ランナーになる必要はない。自分の書きたいものを書きたいように書いて、それで人並みの生活を送ることができれば、僕としては何の不足もなかった。『ノルウェイの森』 が予想もしない売れ方をしたことによって、そのような「気持ちの良い」ポジションはいくぶんの変更を迫られることになるのだが、それはもっとあとの話だ」
カリスマ教師になる必要はありません。
もちろん世間から認知され、たくさんの尊敬を集める先生はカッコいいものです。
しかし我々が最も真剣に向き合うべきもの、それは「目の前の子どもたち」です。
世間には全く知られない存在でも、目の前の子どもたちにとって世界一の教師なら、それでカッコよすぎませんか。
30 未知の部分
「三十歳を過ぎた今でも、僕という人間の中には、まだそれなりに可能性が残されていたのだなと感じた。そのような未知の部分が、走ることによって少しずつ明らかにされつつあるのだ」
今の仕事にマンネリが出始めたら、少しずつ視野を広げてみることが大切です。
本を読む、セミナーに参加する、副業をしてみるなど、普段とは違った世界に飛び込んでみること。
すると、自分に今までなかった可能性が生まれてきます。
ぜひチャレンジしてみてください。
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「疲れた、仕事をしたくない、やる気が出ない」からの脱却法【11〜20】
「疲れた、仕事をしたくない、やる気が出ない」からの脱却法
僕は教員歴10年目の中堅教師です。
いつか、仕事のやる気がなくなってしまったとき、村上春樹さんのこの本に出会いました。
走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)
「ブラック部活」という言葉が生まれるぐらい、昨今の学校現場も働き方について問われる時代です。
この本を読んで僕自身納得できることがたくさんありました。
これから紹介するのは、著書を読んで僕が大切だと思った文中の引用。そして、引用元から学校現場にどう生かすかという自分の考察です。
少しでも参考になる箇所があれば幸いです。
11 勝つべき相手
「長距離走において勝つべき相手がいるとすれば、それは過去の自分自身なのだから」
どんなによい教育実践をやろうが、学級経営をしようが、必ず反省は生まれてきます。
振り返ると「あの年度はなぜあんな実践をやってしまったのだろう…」と悔やむこともあります。
そこが勝負です。誰もが経験する道です。
その反省を生かして、よりよい教育実践をまた築いていきましょう。
12 一人でいること
「僕のような年齢にさしかかった人間が、今更あらためてこんなことを書き記すのは、いささか愚かしいという気もするのだが、 事実を明確にするためにいちおうお断りしておくと、僕はどちらかというと一人でいることを好む性格である。いや、もう少し正確に表現するなら、一人でいることをそれほど苦痛としない性格である」
学校の先生は孤独な仕事です。
もちろん職員室にはたくさんの仲間が、教室にはたくさんの子どもたちが待っています。
しかし、学級経営や授業、これらの力を高めることはとても地道で孤独な作業です。
その作業が好きになれるか、耐えられるか、そこがこの仕事を続けられるターニングポイントになるかもしれません。
13 思い切って筆を置く。
「誰かと一緒に何かをするよりは、一人で黙って本を読んだり、集中して音楽を聴いていたりする方が好きだった。一人でやることならいくらでも思いつけた」
好き嫌いに関わらず、「一人でやれる力」を持っておくのは大切かもしれません。
もちろん仕事はチームワークですので、あなたの周りにはたくさんの仲間がいるでしょう。
しかし自分がこなさなければならない仕事は絶対にあるので、そこの質を上げるために、一人でやれる力は必須だと感じます。
14 沈黙の時間
「だから一日に一時間ばかり走り、そこに自分だけの沈黙の時間を確保することは、僕の精神衛生にとって重要な意味を持つ作業になった。少なくとも走っているあいだは誰とも話さなくてもいいし、誰の話を聞かなくてもいい。ただまわりの風景を眺め、自分自身を見つめていればいいのだ。それはなにものにも換えがたい貴重なひとときだった」
僕自身は一人を楽しめる人間です。
もちろん職場でたくさんの仲間とおしゃべりするのも楽しいですが、ほんの少しでも一人の時間があると助かります。
僕の場合は通勤の自転車や、トイレにこもって一人になる時間を確保しています。
自分の時間を確保するための習慣を見つけられるといいですね。
15 空白の獲得
「僕は走りながら、ただ走っている。僕は原則的には空白の中を走っている。逆の言い方をすれば、空白を獲得するために走っている、ということかもしれない」
よく一人になって何をするのか、と聞かれることがあります。
特に理由はありません。とにかく一人になりたいのです。
もちろん、スマホをいじっていたり、マインドフルネスをやったりすることもあります。
しかしそれはあくまでオプション。基本は一人にただなりたい、というだけなのです。
16 肉体を消耗させるとき
「誰かに故のない (と少なくとも僕には思える)非難を受けたとき、あるいは当然受け入れてもらえると期待していた誰かに受け入れてもらえなかったようなとき、僕はいつもより少しだけ長い距離を走ることにしている。いつもより長い距離を走ることによって、そのぶん自分を肉体的に消耗させる。そして自分が能力に限りのある、弱い人間だということをあらためて認識する。いちばん底の部分でフィジカルに認識する。そしていつもより長い距離を走ったぶん、結果的には自分の肉体を、ほんのわずかではあるけれど強化したことになる。腹が立ったらそのぶん自分にあたればいい。悔しい思いをしたらそのぶん自分を磨けばいい。そう考えて生きてきた」
生きていれば必ず思いがけない批難を受けることがあります。
そんなときはやはりガックリきてしまうものです。
しかしそんなときこそ、運動や筋トレ、その他なんでもいいので自分を追い込みます。
追い込めばその分、自分を強化したことになります。
その自信をもって明日からまた頑張っていきましょう。
17 あらためて考える
「あとでまたあらためて考えることは、僕の特技のひとつであり、その技術は年を追って洗練されていく」
嫌なことがあったら…
いいんです。あとでまたあらためて考えましょう。
そしてそのうち忘れてしまいましょう。
18 筋肉にうめき声
「それよりは身体に現実的な負荷を与え、筋肉にうめき声を (ある場合には悲鳴を)上げさせることによって、理解度の目盛りを具体的に高めていって、ようやく『腕に落ちる』タイプである」
メンタル強化といっても、なかなか目に見えない力なので実感が湧きません。
そんなときこそフィジカルの強化です。
1日に、腕立てふせや腹筋を10回✕3セットやるだけでも、驚くほど効果があります。
19 客商売
「客商売というのはやってくる人を選り好みできない仕事である。どんな人が来ても (よほどひどい相手でもない限り)、にっこりと頭を下げ、『いらっしゃいませ』と言わなくてはならない。おかげで数多くの不思議な人々に巡り合うことになったし、思いもよらぬ奇妙な体験もした。そういう生活の中で、僕はいろんなものごとを素直に、意欲的に吸収していった。おおむねのところ僕は新しい人生の展開と、それが与えてくれる新しい刺激を、前向きに楽しんでいたと思う」
いくら孤独に慣れろ、一人が好きといっても学校の先生ならば、たくさんの人と出会うことになります。
本当に、本当にいろいろな人と出会います。
不当な扱いをされたことは何度もあります。
「確かに自分が悪かったな…」と思えるならそれでOK。
「いや、いくら何でもあれはひどい! もう忘れよう!」と思えることは流してOK。
その瞬間から学べることを吸収していきましょう。
20 全力を尽くす
「全力を尽くして取り組んで、それでうまくいかなかったならあきらめもつく。しかしもし中途半端なことをして失敗したら、あとあと悔いが残るだろう」
過去の反省は恐ろしいほどあります。
しかし今の自分がこうして仕事を続けられているのは、その瞬間にベストを尽くしていたからです。
中途半端でいい加減だったら、そもそも反省しようとする気持ちも起きません。
全力でやったからこそ本気になり、上手くいかなかった悔しさが生まれるのです。
その悔しさは大きな財産です。
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