【内容紹介】こころのドーナツ―村上春樹さんと学校の先生: 今がつらい学校の先生を励ます「村上春樹100個の言葉!」【91〜100】
091 気分が良い
「気分が良くて何が悪い?」
仕事をして気分が良くなれば最高です。
一方、誰かが気分良くなればなるほど、嫉妬や妬みで逆に不機嫌になる人もいます。
改善すべきことがあるなら改善します。
しかし基本的に、それが相手の課題なら自分が心を痛める必要はありません。
アドラー心理学でいう「課題の分離」をするべきです。
もちろん、自分から相手を攻撃することは絶対にやめましょう。
092 自分でやる
「僕は昔から『何かをやるからには、全部とことん自分でやらないと気が済まない』というところがあります」
学校行事の提案というのは、基本的に前年度の内容を少し変えれば大丈夫です。
しかし、運動会の表現指導など、ゼロから生み出す活動も当然あります。
そのときにやってはいけないこと、それは「ゼロからみんなで考える」ことです。
誤解を招く表現ですが、「ゼロ」からみんなで考えるな、というところがポイントです。
提案の秘訣はまず、一人か少数の担当を決め、その人が内容を考えるのです。
そして、完成した提案内容をみんなで検討し、ブラッシュアップしていくのです。こうすれば全体の流れはもうできているので、スムーズに進行できます。
もちろん、提案者は困っていることがあれば、いつでも周りに相談して大丈夫です。
ゼロからみんなでああだこうだ考えてしまったら、時間がいくらあっても足りません。
093 結局は…
「『何をどのように書いたところで、結局はどこかで悪く言われるんだ』ということです」
先生の仕事は授業のみでなく、様々な書類作り、アンケートなどもあります。
特に初任者研修のレポートなどは、行政向けの内容になるので、管理職にチェックしてもらったほうが無難です。
自分の中でどんな良いレポートを書いても、結局は直されるのです。
早めに取り掛かり、早めにチェックしてもらい、そして教材研究などに時間を割きましょう。
094 自分で楽しむ
「もし全員を楽しませられないのなら、自分で楽しむしかないじゃないか」
全員が楽しめる授業ができたら最高ですが、それには運や先生と子どもたちの相性もあります。
ただ、「先生がつまらない授業=子どもたちが楽しい授業」よりも、「先生が楽しい授業=子どもたちが楽しい授業」のほうが確率的に高そうな気がしませんか。
095 自分がこうしたい
「全員を喜ばせようとしたって、そんなことは現実的に不可能ですし、こっちが空回りして消耗するだけです。それなら開き直って、自分がいちばん楽しめることを、自分が『こうしたい』と思うことを、自分がやりたいようにやっていればいいわけです」
最近の教育界では「先生は教えない」「先生はファシリテーター」という風潮があります。
もちろん時代に合わせた先生像は大切です。一方、あまりにも先生が登場しない場面が増えてきてしまっている気もします。
子どもたちが知らないことに出会わせるのも、先生の大切な役割です。
僕の場合、体育で縄跳びのダブルタッチを教えたら、ある子どもたちが放課後も練習するほど燃えていました。
096 求められているもの
「世間が何を求めているかなんて、そんなことは考えなくていい」
WiLL(やりたいこと)、Can(できること)、Must(やらねばならぬこと)のバランスをとって実践することが大切です。
いくら求められても、できないことはきっぱり断りましょう。
097 欠陥のある人間
「僕は基本的に『欠陥のある人間が欠陥のある小説を書いているんだから、まあなんと言われても仕方あるまい』という風に考えています」
先生は人間です。
完璧ではありません。
子どもたちも人間です。
完璧ではありません。
保護者も人間です。
完璧ではありません。
完璧ではない、欠陥だらけの人間が集まっている場、それが学校です。
それはそれはトラブルがあって当たり前ですね。
098 褒め殺し
「どんな世界でもそうですが、『褒め殺し』くらい怖いものはありません」
批判はとにかく嫌ですが、それでも良くないところを注意してくれる人は、振り返ってみるとありがたいものです。
「ハルキ先生には今だからこそ敢えて指摘をしなければいけない」
と、本当に僕のことを想って指導をしてくれた先輩先生がいました。
また初任の頃、たくさん怒られて「この先生怖いな」と、あまり好きになれない先生がいました。
しかし、離任式でその先生といざお別れになったとき、
「僕はこの先生のおかげで成長できたんだ!」
と涙が止まりませんでした。
そんな経験もあるのです。
099 真剣に聴くこと
「インタビューをしているときには、集中して相手の言葉に耳を傾け、自分の意識の流れみたいなものを消してしまいます。そういう切り替えがうまくできないと、真剣に人の話を聞くことはできないんです」
僕が子どもから言われた言葉で一番心にグサッと刺さったのは、
「ハルキ先生は私たちの話を聴いてくれない」
でした。
そんなことない。聴いているはず。
違うのです。
僕は子どもの相談を聞いているときに、「またこの子か…」「この場合はこの言葉がけでいいや」などと考えていたのです。
もし自分が校長先生に困ったことを相談しているとき、校長先生がそんなことを思っていたら、どう感じますか。
校長先生は僕の話を聴いてくれない、もう相談するものか、となりますよね。
自分の顔は自分で見えません。つまり、見えない部分が相手に伝わるのです。
「聞く」と「聴く」の違い。先生は絶対に理解しないといけません。
100 喜び
「暇さえあれば本を手に取って読んでいました。どれだけ忙しくても、生活がきつくても、本を読むことは音楽を聴くことと並んで、僕にとって変わることのない大きな喜びであり続けました。その喜びだけは誰にも奪えなかった」
あなたにとっての喜びは何でしょうか?
高価なアクセサリー、おしゃれな服、便利なアイテム。
どれも持っていれば幸せになります。
しかし不謹慎なたとえですが、それらは大きな地震や壊れ、泥棒が来たら盗まれてしまいます。
一方、学ぶことで得た知識、仲間と一緒に楽しんだ思い出。
これらはどうでしょうか。
大きな地震で壊れますか。
泥棒が来たら盗まれますか。
そんなことないですよね。
あなたは学校で壊れない盗まれない大切な宝物を手に入れているのです。
学校の先生は子どもたちに大切なことを学ばせています。
つらい日もありますが、どうかそれを忘れないで。
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